2026/6/7
[ 初回公開日:
2015/11/11
]
デザインとアートの違い

こんにちは。IT+でデザインを担当している溝口です。
「デザインとアートって、何が違うの?」
そう聞かれて、すぐに答えられる人は意外と少ないかもしれません。同じようなものだと思われがちですが、実はこの2つはまったく別物です。(かくいう私も、美大に入るまではよく分かっていませんでした)
今日はこの「デザインとアートの違い」について、私なりの考えをお話しします。
きっかけは、メキシコの日本人宿
少しだけ余談を。
私が今こうしてWebやECサイトのデザインをしているのは、弊社代表の野口と出会ったことがきっかけでした。出会った場所は、なんとメキシコの日本人宿。実は私も野口も、夫婦でそれぞれ約1年の世界一周を経験していて、旅の途中、たった1日だけ宿がかぶったんです。人生、何がどうつながるか分からないものです。
「売り方(コンサル)」が専門の野口と、「見せ方(デザイン)」が専門の私。畑の違う二人が一緒に仕事をしていると、お互い「へー、そうなんだ」と気づかされることが多々あります。
その野口に、出会った頃に聞かれたのが——「デザインとアートって、何が違うの?」でした。
一言でいうと「目的」と「対象」が違う
結論から言うと、デザインとアートは 目的と、それを達成するための"表現の対象" が違います。
【図:デザインとアートの違い(全体像)】 ※旧 b_d001_zu01 を再利用 or 作り直し
デザイン =「伝える」もの(対象:モノ・コト・ヒト)
デザインの目的は、設定された目的を、特定の誰かに伝えること。対象は「モノ・コト・ヒト」です。
その対象を、誰に、どう伝えれば目的が達成されるのか。どう見せれば一番伝わるのか。本質を捉え、噛み砕き、一番コアになる部分を分かりやすく届ける——それがデザインです。
目的は、ターゲットに商品を買ってもらうことかもしれないし、SNSで反応をもらうことかもしれない。「面白い・かっこいい・きれい・かわいい」は、そのための"手段"にすぎません。デザインは、伝わらなければ意味がないのです。

アート =「自分を表現する」もの(対象:自分)
一方、アートの目的は 自分を表現すること。対象は「自分」です。
自分が面白いと思うもの。かっこいいと思うもの。きれいだと思うもの。それを表現するのがアート。たくさんの人の共感を得られることもあれば、誰にも共感されないこともある。でも、たとえ誰にも伝わらなくても、アートは"自分を表現したもの"。定めたターゲットに伝えることが目的ではありません。

ECサイトで考えてみる
これをECサイトに当てはめてみましょう。
たとえば「田舎のおばあちゃんが作る、こだわりの手作りジャムを売るECサイト」があったとします。
これを、モノトーンでシックな、英語を多用した写真集のような"かっこいいサイト"にしてしまうと——完全に勘違いした"アートなサイト"になってしまいます。なぜなら、それではジャムの背景にある魅力が何も伝わってこないから。「自分がかっこいいと思うものを表現する」が目的になってしまっているんですね。
デザインは違います。ECサイトに限らず、ある目的に対してまず大事なのは:
誰に伝えたいのか
それはどんなものなのか
どうすればその価値が伝わるのか
これを考えること。そうすれば、さっきのような勘違いサイトにはならないはずです。
大事なのは「表現に入る前」
ただ自分の好きな"かっこいいもの"を作ればいいわけではありません。「誰に・何を・どう伝えるか」をしっかり考えた上で、その魅力をあるべき形で届ける。見せ方を考える。それがデザインです。
むしろ、大事なのは表現に入るその前。そういう考え方をすること自体が、デザインだとも言えます。「デザイン思考」という言葉がありますが、まさにこういうことを指しているのだと思います。
そしてこれは、ツールやトレンドが変わっても変わらない、デザインの根っこの部分だと思っています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
私の個人的な見解も入っていますが、これが「デザインとアート」の違いだと思います。「デザイナーって、なんかかっこいいものを作る人でしょ?」というイメージが、これを読んで少しでも変わったなら嬉しいです。
それではまた。
この記事を書いた人










