2026/6/18
[ 初回公開日:
2026/6/18
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Studioで多言語サイトはつくれる? ― 対応方法と選び方、公開後の注意点

「サイトを英語や中国語にも対応させたい」。インバウンドや海外との取引が身近になり、こうしたご相談が増えています。すでにStudioでサイトを持っている方、これからStudioで作ろうとしている方から、よく聞かれるのが「Studioで多言語ってできるの?」という素朴な疑問です。
結論から言うと、できます。ただし、やり方が何通りかあって、規模やこだわりで向き不向きが変わります。フラットに整理します。
そもそも、Studioは多言語に対応してる?
正直にお伝えすると、Studioには「ボタンひとつで多言語に切り替わる」ような標準の多言語機能は、今のところありません(2026年時点)。
とはいえ「Studioだと多言語は無理」ということではなく、ページ構成や外部ツールを組み合わせて実現する、というのが実際のところです。
多言語にする "やり方" と、翻訳の品質
まず大きな分かれ道は「手動で作るか、ツールを使うか」。そしてツールを使うなら、翻訳の品質をどこまで上げるかを選べます。手間をかけない順に並べます。
① 手動で1ページずつ作る(ツールなし)
言語ごとにページを複製して、翻訳を入れていく方法です。ページ数が少なく(数ページ)、言語も1つくらいなら、これで十分。ただし「ページ数 × 言語数」だけ手間が増え、日本語を直すたびに各言語も手で直すことになるので、規模が出てくると現実的ではなくなります。
② ツール+機械翻訳(自動・手軽)
多言語ツールを連携すると、自動で全ページが翻訳されます。日本語(元サイト)を更新すれば、機械翻訳の部分は各言語にも自動で追従します。まず多言語サイトを立ち上げる、という段階では、これが手軽です。
(※手で直した訳がある箇所は、元の文を変えると見直しが必要になります。反映の仕方はツールによって少し異なります。Studioでの具体的な導入手順は、別記事「STUDIOでの多言語対応!Weglotを使った手順とポイント」に。)
③ ツール+用語集で、精度を上げる
同じ "自動翻訳" でも、仕上がりの質は一律ではありません。順番としては2段階で考えると分かりやすいです。
まず、ツール自体が持つ翻訳エンジンや辞書の性能で、自動翻訳の "素の精度" が決まります。とくに日本語や自分の業界の言葉にどれだけ強いツールかで、最初に出てくる訳の質がかなり変わります。
そのうえで、自社ならではの専門用語・会社名・商品名・型番などを "用語集" に登録すると、表記がブレず、さらに精度が上がります。ツールを選ぶときの、地味だけれど大事なポイントです。
④ ツール+プロ翻訳で、仕上げる
会社の顔になるページや、商品をしっかり説明したいページなど、こだわりたい部分は人の翻訳を組み合わせます。いちばん手はかかりますが、品質は最高です。
②〜④は、同じ「ツールを使う」中での品質の違いです(①だけがツールなし)。①→④へ必ず進むものではなく、自社に合う一点を選べばOK。ページごとに「自動でいい所」「手をかける所」を分けることもできます。

どれを選べばいい?

①手動が向くケース:固定ページが少ない/必要なページだけ各言語があればOK/ブログなどCMSの多言語は不要、という場合。弊社サイトにも、説明用に手動でつくった英語ページがあります(itplus.co.jp/eng)。
②ツールで自動化が向くケース:ページや言語が増える、更新が多い。運用が一気に楽になります。
③④で品質を上げるべきケース:ブランド・商談・ECなど、訳の質が成果に直結するとき。用語集で精度を上げ、こだわるページはプロ翻訳を組み合わせます。
ツールをざっくり例示すると、こんな分かれ方になります。
英語中心・ページ少なめ・費用を抑えたい → 海外製の手軽なツール(例:Weglot)
本格的に・品質重視でやりたい → 日本国内で実績のあるツール(費用は規模により個別見積もり)
迷ったら「どのページに、どこまで質をかけるか」をページ単位で考えると、すっきり決まります。全部を同じ品質でやる必要はありません。
費用の輪郭(ざっくり):手動はツール代こそ不要ですが、その分の手間(人件費)がかかります。ツールは月額制(文字数やPVで段階課金)が一般的。さらにStudio側も、後述のSEOに有利な構成にするなら上位プランが必要になることがあります。「初期費用」だけでなく「更新し続ける運用コスト」で見るのがコツです。
始める前に、知っておくと損しないこと
現時点では、Studioが公式にサポート・連携している多言語ツールはありません。そのため、多言語化は外部のツールを組み合わせて行います。導入や運用で迷ったときに相談できる先(制作会社・SEO会社・翻訳ツールの会社など)を、最初に見つけておくと安心です。
URLの形は最初に決める。Studioでは基本「サブドメイン型(
en.◯◯)」になり、各言語が独立サイト扱いになるため、検索評価やアクセス解析が言語ごとに分かれやすいです。SEOで有利とされる「サブディレクトリ型(◯◯/en)」を実現するには、Studioでは基本的にEnterpriseプランが必要です(Business Plus+「カスタムプロキシ」アドオンで対応できる可能性もありますが、Studio側のサポートがあったほうが安心なのでEnterpriseプランが前提になるのではないかと思います)。URLは後から変えにくいので、最初に方針を決めておくと安心です。

画像の中の文字は、自動では訳されないことが多い。バナー・図版・PDFなどは言語別に作り直し(差し替え)が必要です(ツールによっては対応するものもあります)。
言語によって文字数が変わり、デザインが崩れることがある。日本語に合わせて作ったボタンや見出しが、英語やドイツ語だと長くなってはみ出す、など。多言語を前提に余白を見ておくと安心です。
全部訳すか、絞るか。海外に読者がいるページは訳す。一方で、国内限定の告知などは、無理に全部訳さなくても構いません。
ツールを入れた "後" が、実は大事 ― 自社で検証して分かったこと
ここはIT+の実体験から、少し踏み込んでお伝えします。私たちは自社サイトも多言語化していて(Weglotを使っています)、ときどきサイト監査ツールで健全性をチェックしています。
多言語ツールは、検索エンジン向けの hreflang(「この英語ページと日本語ページは "同じ内容の言語違い" ですよ」と伝える記述)を自動で入れてくれます。ただし、ツールやサイトの構成によっては、サイト監査ツールが「不足している」と指摘を出すことがあります(下層ページでURLが相対指定になる、x-default が入らない、など)。その多くは実際の検索インデックスへの悪影響は限定的ですが、構成によっては取りこぼしも起きます。実際、私たちも自社サイトを監査して、headに記述を補う対応をして整えました。
詳しくは別記事「STUDIOでの多言語対応!Weglotを使った手順とポイント」に実際のスクリプトの例と合わせて掲載しています。
もうひとつ。多言語サイトの状態は、日本語版やトップページだけ見ても分かりません。英語版・中国語版……と、すべての言語版をチェックしないと、問題(ページが表示されない・タイトルが抜けている・検索に載らない、など)が埋もれたまま「問題なし」と誤解してしまいがちです。
つまり多言語サイトは、「ツールを入れて終わり」ではなく、公開した後に全言語版を確認して仕上げて、はじめて完成します。ここは見落とされやすいところ。制作会社・SEO会社・翻訳ツールの会社と、遠慮なく詰めてください。
まとめ
Studioでも、多言語サイトは十分につくれます。大事なのは「規模とこだわりに合ったやり方を選ぶこと」、そして「公開後の確認まで含めて考えること」。手動で十分なケースもあれば、ツールで自動化したほうがいいケースもあります。
もし「うちの場合はどの方法がいいんだろう」と整理したい段階でしたら、気軽にご相談ください。弊社は翻訳の専門会社ではありませんが、実際に手を動かして検証してきた経験から、まず前段の整理(どのやり方・どんな構成が合うか)をさせていただいたうえで、Studio Enterpriseのご担当者さんや日本国内で実績のある翻訳ツールの会社さんへおつなぎします。
この記事を書いた人










